11時台をどう生きるか?映画をきっかけに考えたキャリアの選択
昨日、レイトショーで、ある映画を観ました。
(ここでは作品の内容や展開には触れません。)
ただ、観終わったあとに残ったひとつの比喩が、個人的にはキャリアについて考えるうえで、とても示唆的だと感じました。
それが、「11時台」という考え方です。

◇キャリアにおける「11時台」とは何か?
時計の話を持ち出すまでもなく、キャリアには必ず、
・努力しているのに成果が出ない
・正しい選択をしているのか分からない
・このまま進んでいいのか確信が持てない
そんな時間が訪れます。
一般的には、それを「停滞期」「不遇な時期」「耐える期間」と表現することが多いように思います。
ただ、映画を観て感じたのは、11時台は、長い期間として存在するものではないのかもしれないということでした。
◇11時台は「一瞬一瞬」に現れる
私はキャリアコンサルタントとして、日常的に「過去を振り返る」支援をしています。
ただし、それは過去に戻るためではありません。
内省とは、今の選択をより良くするための作業だと考えています。
そう考えると、11時台とは、
数年続く暗黒期(映画の中での話)ではなく、
1日の中で何度も訪れる「判断の瞬間」なのではないかと思うようになりました。
今どうするか。
今どちらを選ぶか。
今、誰を頼るか。
迷っていられる時間は、意外と短いものです。
決断を先延ばしにしているうちに、その瞬間は過ぎてしまいます。
◇「待つ」と「止まる」は違う
キャリア相談の現場で、よく耳にする言葉があります。
「もう少し様子を見ます」
「今は動くタイミングではない気がして」
もちろん、待つことが必要な局面もあります。
ただ問題は、待つことと、止まることが混同されている点だと感じています。
待つとは、何もしないことではありません。
たとえば、
・情報を集める
・人に相談する
・仮説を立てる
・小さく動いてみる
こうしたことも、立派な「行動」だと思います。
何も選ばず、何も動かず、ただ時間が解決してくれるのを期待することとは、少し違います。

◇キャリアは「一人で決めなくていい」
もうひとつ、映画を観て強く感じたのは、人は一人で前に進まなくていいということでした。
キャリアの悩みは、とかく、
・自分で考えなければならない
・自分で答えを出さなければならない
と思われがちです。
けれど実際には、「誰を頼るか」を選ぶことも、立派なキャリア行動なのではないでしょうか。
最近、自分自身を振り返って「素早く選んでよかったな」と思えた場面があります。
答えは、とてもシンプルでした。
妻です(照)。
迷いの中で正解をひねり出そうとするより、「この人に話そう」と決めました。
それだけで、止まっていた思考(時間)が動き出しました。
結果的に、それが前に進むきっかけになったのだと思います。
◇11時台を短くする生き方
キャリアにおいて大切なのは、「失敗しない選択」をすることではないと感じています。
・小さくても選び続けること
・立ち止まりすぎないこと
・迷ったときに頼れる人がいること
それだけで、「何も起きていないように感じる時間」は、意外と短くなります。
動いてみて初めて、次の選択肢が見えてくることも多いからです。
そしてあとから振り返ったときに、「あの時の選択が、次につながっていたな」と思える瞬間が訪れます。

◇映画は答えをくれない。でも問いをくれる
この映画は、キャリアの正解を教えてくれるわけではありません。
けれど、とても良い問いを残してくれました。
今この瞬間、
自分は何を選ぶのか。
誰を頼るのか。
キャリアとは、結局のところ、その問いに何度も答え続ける営みなのだと思います。
大きな決断ではなくてもいい。
今日の11時台に、どう動くか。
その積み重ねが、後から意味のある道になっていくのかもしれません。
国家資格キャリアコンサルタント
荒川 貴司





